120年以上の歴史を持つ
キリスト教精神に基づく男子学生寮です

同志会の寮生活

同志会では、毎年4回金曜日に寮生と先輩卒寮生諸氏が礼拝を共にし、その後に会食する行事があります。 クリスマスの時期には、クリスマス祭が行われます。この行事では、寮生がオリジナルの寸劇を発表します。奇想天外な 聖劇が繰り広げられます。

卒寮生が残した言葉

同志会では、毎年、「同志会会報」および「同志会たより」を発行し、寮生の様子、金曜会(礼拝)や予餞会、クリ スマス祭などの行事で、先輩の方々と寮生が交流する様子を、寮生、卒寮生に伝えています。この中に掲載された2 名の卒寮生の予餞会で述べられた答辞(一部)が、同志会の雰囲気を良く伝えていますので、ご紹介します。

M君の手記(予餞会の答辞、抜粋)

2011年の5月に入寮して以来、この同志会には約6年お世話になってきました。入寮する前の私は研究室と実家の間の片道1時間半、満員電車の通学路を毎日往復していました。それ自体は世のサラリーマンと変わりはしませんが、頻繁に行われていた研究室の飲み会、研究材料であるタンパク質を用意するための実験のため、週に何度も終電帰りを繰り返し、家に着くのは2時半過ぎ、そして翌朝7時半から8時には家を出ないといけない、という生活を送っていました。そんな生活によって慢性的な睡眠不足を抱えていても生活スタイルを変えようとする気が無かった私に対し、親身になって心配してくれた人が同じ研究室の一学年の上の先輩であり、当時内会員であったTさんでした。私は宗教嫌いだったため、紹介された当初も反発していましたが、Tさんの「何も実態を知らないのに、宗教のせい、とかいってこの寮に住む機会を失うのは勿体ない」との言葉を受け、「世の中クリスチャンの人も多いし、一度キリスト教について学んでみるのもよいか」と考え入寮することにしました。

入寮後、修士時代の私は余り良い寮生ではなかったと思います。日々研究が忙しく、同志会よりも研究を優先していました。週議事にも出なかった事で勝手にクリスマス祭の劇の主役に抜擢されてしまったこともありました。また通学も楽になりましたが、親元を離れて時間の制約を受けなくなったことで生活リズムが昼夜逆転してしまうことがしばしば見受けられました。それでも、寮生と過ごす時間や研究が上手くいったことで充実した日々を過ごすことが出来ました。この頃の同志会で一番記憶に残っているのは同志会旅行で猿ヶ京温泉に行った時で、夜遅くまで寮生と酒を飲み、ゲームをし、語り合った事が昨日のことのように鮮明に思い出されます

中略

また私はノンクリスチャンの立場からキリスト教について学び、クリスチャンの方の背景を知ることを目標にしていました。在寮出来る時間が少なくなってきた中で、一つでもキリスト教の教えについて学んでいきたい、と金曜会の感話で話した時、とある先輩が私の感話に続けて話されたことが今でも印象に残っています。その先輩の感話が金曜会記録でよくまとまっていたので引用すると、「キリスト教についてもう少し学んでみたいと言っていたが、少なくともそれはM兄の中でキリスト教が気にかかる存在になっているということであると思う。それは同志会に入った影響であり、キリスト教を信じる者にとってみればそれは神のお導きであるという解釈が成り立つ」。内容としては短いですが、私はそのように考えたことがかつて無く、この考え方を知れたことこそ同志会でキリスト教に触れて得られた大事なものだと思っています。この機会に、今一度、ノンクリスチャンの立場からキリスト教について向き合ってみたいと思っております。

最後になりますが、長い同志会での生活を色々な面で支えて下さった、理事、チャプレン、外会員、賄いさん、そして内会員の方々に改めて御礼を申し上げます。



K君の手記(予餞会の答辞、抜粋)

私は最初、学内に貼ってあった1枚のポスターに導かれて、キリスト教とは無縁でいた身でありながら同 志会に入りました。それ以来、同志会で色々な恩恵を受けてきました。まずいくつか素朴な感謝を表明した いと思います。

冷蔵庫を開ければいつも美味しそうなご飯が待ち受けていることに感謝します。
生活用品、設備も 全部揃っていて、いつでもシャワーや洗濯ができることに感謝します。
学校まで歩いていける範囲に あり、新しい毎日を満員電車によってぶち壊されずに済むようになったことに感謝します。
外ではど んなことがあっても同志会にさえ戻れば、あたかも庇護が受けられる場所に入ったように、いつも安心感が 得られることに感謝します。
留学生として、うわべを撫でるのではなく、現地社会と深まった関係を 築いて初めて留学が意味を持つことになると思い、同志会で、寮生たちとプライベートの一面も共有しなが ら、近距離で日常生活が一緒に送れたことに感謝します。

中略

今のうちは気づけないかもしれませんが、同志会で送ってきた生活は、将来必ず掛け替えのない良い経 験になると信じます。これも私から同志会への最後の感謝です。そして寮生の皆さんにも、今の同志会生 活が後に大いに役に立つことを信じてほしいです。

一日でも同志会の寮生であれば、一生同志会の寮生です。これから私は退寮するとはいえ、外会員とし て、常に感謝の心を持って、引き続き同志会のことを考え、同志会に貢献したいと思います。